親に終活の話をどう切り出すか|実家の片づけから始める小さな一歩

実家に帰るたびに、 気になることが増えていく。

段ボールに埋もれた書類。 何年も開けられていない引き出し。 使われないまま置かれている、たくさんのモノ。

「そろそろ、終活の話をした方がいいのかもしれない」

そう思いながら、 言葉にできずにいる。

そんなお話を、 私はこれまで何度も伺ってきました。

今日は、開運終活カウンセラーとして、 子どもの立場から親に終活の話を切り出すときに、 私が大切にしていることをお伝えします。

親子で実家の古いアルバムを一緒に見ながら、思い出を語り合っている様子
古いアルバムを一緒に見る時間は、親子の思い出を共有し、心をつなぐひとときです。

「そろそろ」と思うのは、いつも子どもの方から

終活の話は、 本人よりも先に、 周りの家族が「そろそろ」と感じ始めることが多いものです。

親自身は、 まだそんな気になっていない。

その温度差が、 話を切り出しにくくしている一番の理由だと、私は感じています。

「早く言わなきゃ」 「でも、いつがいいのか分からない」

そうやって、 時間だけが過ぎていく方を、 これまで何人も見てきました。

でも、 「早すぎる終活」も「遅すぎる終活」も、 本当は存在しません。

思い立ったときが、 そのご家庭にとっての、ちょうどいいタイミングなのです。

「あなたのため」と言うほど、話は進まなくなる

終活の話を切り出すとき、 つい使ってしまう言葉があります。

「お母さんのために言ってるんだよ」 「将来困らないように、今のうちに」

間違ってはいません。 でも、正しいだけでは、心は動かないのです。

「あなたのため」という言葉は、 時に「もう年寄り扱いされている」という サインとして受け取られてしまうことがあります。

終活とは、 「片づける」ためのものではなく、 「これからをどう生きたいか」を、一緒に考えるためのもの。

私が講座やご相談の場で、 繰り返しお伝えしていることです。

そこを取り違えると、 どんなに丁寧に話しても、 なぜか話がこじれてしまうのです。

きっかけは、実家の片づけでいい

正面から「終活をしよう」と切り出すのは、 思っている以上にハードルが高いものです。

だから私がおすすめしているのは、 もっと小さな入り口から始めることです。

・古いアルバムを、一緒に見る

・使っていない食器棚を、一緒に整理してみる

・「これ、どうする?」と聞きながら、片づけを手伝う

片づけは、 モノについて話しているようで、 実は、その人の人生について話していることが多いのです。

「これは、おばあちゃんからもらったものなの」 「これは、もう手放していいわ」

そうした何気ない会話の中に、 親の本音が、少しずつ顔を出します。

生前整理について、以前 生前整理は「捨てる」だけじゃない|断捨離で遺品整理の負担を減らし、人生後半を心地よく暮らす という記事でも書きましたが、 片づけとは、モノを減らす作業であると同時に、 心を整えていく作業でもあります。

終活は、 一度に終わらせるものではありません。

そんな小さな会話の積み重ねから、 自然に始まっていくものなのです。

最初の一言は、こんな言葉でもいい

「終活」という言葉を、 最初から使う必要はありません。

たとえば、こんな一言から始めてみてください。

・「お母さんの若い頃の話、聞かせてほしいな」

・「この写真、誰が写ってるの?」

・「もしものとき、どうしてほしいか聞いておきたいな」

「終活しよう」ではなく、 「あなたのことを、もっと知りたい」

そんな気持ちから始まる会話の方が、 親の心は、ずっと開きやすいのです。

私自身、講座やご相談の場で、 「身構えずに話せる一言」を、 いくつも一緒に考えてきました。

正解はひとつではありません。

そのご家庭に合った言葉を、 少しずつ探していただければと思います。

親の人生を、否定せずに聞くということ

話を切り出せたとしても、 もうひとつ、大切なことがあります。

それは、 親の選択を、否定しないということです。

「そんな古いもの、もう捨てなさいよ」 「そのやり方、今は違うと思うよ」

子どもとしては、 良かれと思って言っていることでも、 親にとっては、自分の人生を否定されたように感じることがあります。

終活のご相談を受けるときに、 私が一番大切にしているのは、 「聞く」という姿勢です。

正しさを教えるのではなく、 「そう思っていたんだね」と、 まず受け止める。

それだけで、 話せることの量が、大きく変わっていきます。

エンディングノートも、 実は同じです。

エンディングノートに何を書けばいいの? という記事でも触れましたが、 書くこと自体よりも、 書きながら親自身が、自分の気持ちに気づいていく過程にこそ、意味があります。

子どもにできることは、 その過程に、そっと寄り添うことだけなのかもしれません。

親に終活の話をすることは、 「終わり」の話をすることではありません。

これからの人生を、 どう生きていきたいか。

それを、 親子で一緒に考えていく時間なのです。

今日、この記事を読んでくださったことも、 もう、その一歩なのですから。


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