「終活」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるでしょうか。
断捨離、片付け、身辺整理。
多くの人が、まず「モノ」を思い浮かべるかもしれません。
けれど私にとっての終活の原風景は、もっと生々しく、もっと人間的なものでした。
まだ「終活」という言葉が一般的でなかった頃、
実家では「死に支度」という言葉が日常的に使われていました。
今から40年以上前。
明治生まれの祖母が亡くなり、台所を片付けていた時のことです。
出てくる、出てくる。
マヨネーズの空き瓶、マーガリンの空き箱……。
当時はペットボトルの時代ではありませんでしたが、
もし今だったら、きっとそれらも大切に取っていたことでしょう。
正直なところ、残しておきたいものではありませんでした。
だから、迷わず処分しました。
けれど、手を動かしながら、ふと思ったのです。
「これは、祖母なりの“生き方”だったのだ」と。
モノを大切にする。
無駄にしない。
未来に備える。
それは単なる溜め込みではなく、
祖母が祖母なりに、この人生をどう生き切ろうとしていたかの痕跡でした。
時を経て、義兄の急逝をきっかけに、
私は再び「生きること」と「死ぬこと」を否応なく突きつけられます。
整体師という仕事柄、
人の身体を通して、人生の終盤や、生死にまつわる話に触れる機会も少なくありません。
そこで確信するようになりました。
死に様は、生き様そのものだということ。
どんな人生を歩んできたかは、
最期の在り方に、驚くほど正直に表れます。
今、終活は一種のブームです。
確かに、死んだら何も持ってはいけない。
断捨離も、大切なプロセスでしょう。
けれど私は思うのです。
本当に先に向き合うべきなのは、
「何を捨てるか」ではなく、
どう生きたいのか。
どう人生を終えたいのか。
普段は忙しさに紛れて、
あまり考えない問いかもしれません。
けれど、そこから目を逸らしたままでは、
どれだけ片付けても、運も人生も整ってはいかない。
義兄の死をきっかけに、私は
自分の奥深く――
見ないように覆ってきた価値観と、真正面から向き合うことになりました。
それは、決して楽な作業ではありません。
むしろ、かなりハードです。
けれど今、私は初めて
「内省」という言葉を、頭ではなく、身体で理解している気がします。
開運終活とは、
人生の終わりを準備するためのものではありません。
終わりから逆算して、
これからの人生と運を、立て直すための時間。
この連載「開運終活」では、
50代からの女性が、自分の人生を取り戻し、
運の流れを整え直すための「開運終活」について、
少しずつ言葉にしていこうと思います。
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