父の死をきっかけに学んだ終活
私が終活カウンセラーの勉強をしたのは、父が亡くなった11年前のことです。
当時はまだ「終活」という言葉が今ほど一般的ではありませんでしたが、私自身はもともと終活に近い考え方に触れて育っていました。
実家は三世代同居。
祖父母が亡くなった後の手続きや片付け、供養に関することは、主に母が担っていました。
私はその姿を見ながら育ちました。
祖父母の遺品整理やお墓の管理など、母がどれほど大変な思いをしていたのかも知っています。
だからこそ母は、「自分たちの代では子どもに同じ苦労をさせたくない」と考えていたのでしょう。
終活という言葉がなくても、我が家ではそれが当たり前のように日常の中にありました。
「入るお墓がない」という現実
その後、私は独立して親元を離れ、四男である夫と結婚しました。
そこで初めて気づいたのです。
「あれ? 私たち、入るお墓がないかもしれない」
もちろん当時は、
「そもそもお墓って本当に必要なの?」
そんな気持ちもありました。
ちょうどその頃、実家でもお墓の問題が浮上していました。
先祖代々のお墓は山の中腹にあり、足の悪くなった両親にはお参りが難しくなっていました。
さらに子どもたちはそれぞれ遠方で暮らしています。
これから先、そのお墓を誰が守っていくのか。
そんな現実的な問題に直面したのです。
最終的に実家のお墓は、長男である弟が暮らす滋賀県へ移すことになりました。
けれど、その時ふと思ったのです。
「私はそこには入れないなぁ」
そして、
「もし自分たちでお墓を建てても、将来そこを守る人はいるのだろうか」
という疑問も湧いてきました。
樹木葬を見に行ったら人生が変わった
そんな時に耳にしたのが「樹木葬」でした。
興味本位で近くの霊園へ見学に行ったのですが、そこで思いがけない出会いがありました。
説明を聞いているうちに、
「ペットと一緒に入れるお墓もありますよ」
と言われたのです。
実は当時、自宅には見送った愛犬たちのお骨がありました。
いつか何とかしなければと思いながら、そのままになっていたのです。
その瞬間、
「まずはこの子たちの居場所を作ってあげたい」
という気持ちが強くなりました。
そして気がつけば、お墓を購入することになっていました。
まさに予想外の展開です。
お墓を持ったことで得られた安心感
私は風水や環境学を学んでいるので、お墓という存在が運気や家系に大きく関わることも理解していました。
一方で、現代は供養の形も多様化しています。
昔ながらのお墓だけが正解ではありません。
だからこそ多少の迷いや葛藤もありました。
それでも結果としてお墓を持ったことで、長年気になっていた愛犬たちのお骨の行き先が決まり、自分たち夫婦の将来についても具体的に考えられるようになりました。
不思議なことに、「死後の準備」をしたことで、むしろ今を安心して生きられるようになったのです。
終活は「終わりの準備」ではなく「未来の準備」
終活カウンセラーの講座では、お墓だけでなく、お葬式の種類や供養の方法、相続や遺品整理などについても学びました。
どれも普段はなかなか話題にしないことばかりです。
だからこそ学ぶ価値がありました。
終活というと、「まだ早い」「縁起でもない」と感じる方もいるかもしれません。
でも実際には、人生の終わりを考えることは、残された時間をどう生きるかを考えることでもあります。
誰かに迷惑をかけないためだけではなく、自分自身が安心して毎日を過ごすための準備。
それが私にとっての終活です。
そして今では、終活とは「人生を終える準備」ではなく、「人生を最後まで自分らしく生きるための準備」なのだと感じています。
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