生前建墓(寿陵)のメリットとデメリット|お墓を生きているうちに建てるという選択

☆~~~☆開運終活の全体像は「開運終活とは?」にまとめています。☆~~~☆

「お墓、どうする?」

この話を、
ご家族としたことはありますか。

先日、初めて開催した
オリジナルエンディングノート作りのワークショップでも、
話が止まらなくなったのは、
やはりお墓のことでした。

すでにお墓がある方は、「これから誰が守るのか」。

お墓がない方は、「そもそも、用意するのかどうか」。

どちらに転んでも、考えることはあるのです。

今日は開運終活カウンセラーとして、
「生前建墓(せいぜんけんぼ)」という選択について、
メリットとデメリットの両方をお伝えします。

生前建墓(寿陵)とは、自分が入るお墓を自分で建てること

生前建墓とは、
自分が入るお墓を、生きているうちに自分で建てることです。

古くは「寿陵(じゅりょう)」と呼ばれ、
長寿や子孫繁栄を招く縁起のよいものとされてきました。

「生きているうちにお墓なんて、縁起でもない」

そう感じる方もいらっしゃいますが、
もともとは逆で、おめでたいこととされていたのです。

今は縁起というより、
もっと現実的な理由から選ばれることが増えました。

守る人がいない。
遠くてお参りに行けない。
子どもに決めさせたくない。

そういう事情のほうが、先に来る時代になりました。

いまのお墓は、想像よりずっと多様になっている

「お墓を建てる」と聞くと、
大きな石の和型墓石を思い浮かべる方が多いと思います。

でも、いま選ばれているお墓は、かなり様変わりしています。

鎌倉新書の「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」によると、
2025年にお墓を購入した方が選んだのは、

2025年に購入されたお墓の種類

樹木葬 47.4%

合祀墓・合葬墓 16.4%

納骨堂 15.5%

一般墓 15.2%

平均購入価格

一般墓 152.0万円/納骨堂 81.5万円/樹木葬 71.7万円

出典:鎌倉新書「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」調査時期 2026年1月/有効回答 1,267件

いわゆる昔ながらの一般墓は、もう15%ほどなのです。

つまり、「お墓を用意する」という言葉の中身が、
ひと昔前とはまったく違うということです。

大きな石を建てることだけが、生前建墓ではありません。

生前建墓のメリット

家族と話しながら決められる

いちばん大きいのは、これだと思っています。

予算。
自宅からの距離。
墓石のデザイン。
どんな言葉を刻むか。

ひとつひとつ、家族と相談しながら決められます。

そして不思議なことに、
お墓の話をしていると、
自然と別の話が出てくるのです。

どんなお葬式にしてほしいか。
延命治療をどうしたいか。
何を残して、何を手放したいか。

普段はなかなか切り出せない話題が、
お墓という具体的な入り口から、するりと出てきます。

我が家も、お墓の話をきっかけに、
葬儀のことまで一度に話すことができました。

考える項目がひとつ減っただけなのに、
意外なほど心が軽くなったのを覚えています。

「相続税がかからない財産」になる

お墓や墓地、仏壇・仏具などの祭祀財産は、
相続税法第12条で非課税財産と定められています。

生きているうちに購入しておけば、
その分だけ現金が減り、課税される遺産総額も減ることになります。

一方、亡くなったあとに遺族がお墓を買っても、
その費用を遺産から差し引くことはできません。

ここが「生前」建墓の、税金の面での意味です。

ただし、注意点もあります。

  • ローンを組んで残債がある場合、その未払金は債務控除できません(現金一括が前提)
  • 純金の仏壇や骨董品など、社会通念上あまりに高額なものは非課税の対象外になることがあります

税金の扱いは、ご家庭の事情によって変わります。実際の判断は、税理士さんなどの専門家にご確認ください。

残される人の手間と迷いが減る

「お墓はいらない。散骨でもしておいて」

そう言い残すのも、ひとつの考え方です。

でも実際には、
残された人が、散骨できる場所を探し、業者を選び、
親戚に説明する役目を負うことになります。

「何も決めていない」というのは、
残される人にとって、いちばん重い宿題なのです。

決まっている、というだけで、
家族の負担はずいぶん軽くなります。

自分の好みを残せる

墓石の形も、色も、刻む文字も、
自分で選べるのは生前建墓ならではです。

「どうせ入るのだから」と言いながら、
夫婦でずいぶん意見を交わしました。

その時間そのものが、
今になってみると、よい時間だったと思っています。

生前建墓のデメリット

まとまったお金が、先に出ていく

これは避けられません。

相続税対策になるとはいえ、
今、手元から大きなお金が出ていくことに変わりはないのです。

「そのお金は、生きているうちの充実に使いたい」

私自身、最初はそう思っていました。

その気持ちは、今も間違っていなかったと思います。

だからこそ、
老後の生活費を圧迫してまで急ぐものではありません。

管理料は、建てた日から続く

見落とされがちなのが、これです。

お墓を建てた時点から、
毎年の管理料が発生します。

つまり、自分が入るずっと前から、
支払いが始まるということです。

年額としては大きな金額ではないことが多いのですが、
「何年ぶん払うことになるのか」は、
一度計算してみることをおすすめします。

その先を守る人までは、決められない

自分たちの代のことは決められます。

でも、その先はわかりません。

子どもがどこに住むのか。
孫の代がどうなっているのか。

正直なところ、私にも読めません。

ただ、そこまで背負わなくてもいいのではないか、
というのが、今の私の考えです。

永代供養がついた形を選んでおく、
合祀に移せる条件を確認しておく。

「いつか終いにできる」道を一本用意しておけば、
それで充分だと思っています。

墓じまいについては、
変わりゆく墓事情:墓仕舞いにも書きました。

決める前に、家族で確認しておきたい5つのこと

我が家が実際に確認したこと、
そして「先に聞いておけばよかった」と思ったことを、
5つにまとめました。

□ 誰が入るお墓なのか

夫婦だけか、子ども世代も入るのか。苗字が違う家族は入れるのか。

□ お参りに行ける距離か

今ではなく、足腰が弱くなった10年後・20年後に行ける場所かどうか。

□ 管理料は、いくらを何年払うのか

年額だけでなく、総額で考えてみる。

□ 承継者がいなくなったとき、どうなるのか

永代供養はついているか。合祀に移せるか。その条件と費用は。

□ 分骨や改葬を受け入れてもらえるか

実家のお墓から分骨したい場合、宗派や霊園の規定で可否が分かれます。

このうちの4つ目と5つ目は、
パンフレットには小さくしか書かれていないことが多いところです。

見学に行ったときに、必ず口に出して聞いてみてください。

風水では、お墓も「家」のひとつ ― 陰宅風水という考え方

風水には、「陽宅風水」と「陰宅風水」があります。

陽宅は、生きている人が暮らす住まいの風水。

陰宅は、お墓の風水です。

風水を学ぶ人の中には、
陽宅(家)よりも陰宅(お墓)のほうが大事だ、
という考え方をする方もいらっしゃいます。

よい例としてよく挙げられるのが、日光東照宮です。

そう言われると、うなずける話でもあります。

私自身は、お墓にほとんど関心がなく、
樹木葬でいいと思っていました。

ところが、夫が気に入ったお墓を陰宅風水で見てみたら、
これがなかなかの土地だったのです。

それで、気持ちが動いてしまいました。

……よかったのか悪かったのかは、まだわかりません。

ただ、ひとつ言えるのは、
風水は「決める理由」にはなっても、
「急ぐ理由」にはならないということです。

土地の良し悪しより先に、
家族が納得しているかどうか。

順番は、そちらが先です。

我が家がお墓を持つことになった経緯そのものは、
終活は人生の終わりの準備じゃなかった|お墓問題から見えてきた「これからを生きる安心」に書きました。

お墓の話は、そのまま「これからどう生きるか」の話になる

生前建墓のいちばんのメリットは、
税金でも、墓石のデザインでもないと思っています。

お墓という大きな買い物を通して、
家族といろんな話ができたこと。

それが、いちばんでした。

10人いれば、10通りの人生があります。

だからエンディングノートも、
市販のものをなぞるだけでは、しっくりこないのです。

私たち東洋人は、
暦や陰陽五行をベースにした暮らしが、どこかに染みついています。

暦に沿って暮らすことが、
そのまま運気の応援をもらうことにつながります。

一人ひとりにカスタマイズした終活を。

終活は、残される人への礼儀であると同時に、
終わりから考えることで、
「今をどう生きればいいか」を見つける作業でもあるのです。

まだ何も決まっていなくて、かまいません。

「お墓、どうする?」

その一言から、始めてみてください。


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